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最高裁判所第三小法廷 昭和33年(オ)285号 判決

主文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理由

上告代理人姫野高雄の上告理由は原判決の法律解釈の誤、審理不尽をいうが、上告人が本訴において請求するところは、原判決摘録のとおりの抵当権設定登記の無効並びに不動産競売手続の無効の確認および抵当権設定登記の抹消登記手続をすることにあること記録上明らかである。原判決は、右競売手続はすでに完了し抵当権設定登記は抹消されている事実を認定し、本訴請求中抵当権設定登記の無効確認の点は現在の法律関係の存否の確認を求めるものではなく、右登記抹消登記手続を求める点は対象を欠くに至り、また競売手続無効確認を求める点も、何らその無効を原因として現在の法律関係の存否の確認を求めることなく単に競売手続自体の無効確認を求めるに過ぎないから、いずれも失当であると判示しているのである。されば原判決には何ら所論のような違法はなく、論旨は理由がない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のとおり判決する。

(裁判長裁判官 垂水克己 裁判官 島 保 裁判官 河村又介 裁判官 高橋潔 裁判官 石坂修一)

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